ヘリテージなもの

デザインやアートの様式の中に「ヘリテージ」と言う概念がある。遺産や伝統を意味する言葉である。文化遺産に伴う、建築様式の保護や古くから継承されている伝統工芸品。それに伴う紋様や色彩に至る表現様式など、幅広い領域で尊重し保護して行こうとする概念である。私は、それらの文化遺産や伝統工芸品を鑑賞することが好きで、日本各地の史跡や文化遺産を訪れている。また、その土地の伝統工芸品や装飾品にふれることも好きだ。しかしながら、行動範囲は国内に限られ、世界に目を向けて、各民族の生活スタイルや服飾等のデザイン様式に関心があっても、なかなか現地を訪れる機会は少ない。そこで私は大阪にある国立民族学博物館に度々足を運び、現地に行けない欲求を満たしている。世界各地の民族の文化や生活様式を鑑賞できる施設は少ないが、この施設の展示数は膨大で、さすがに併設する国の研究機関が収集した収蔵品だけに、その豊富さに圧倒される。また、この施設は万博記念公園内にあり、当時のシンボルである、太陽の塔が隣接しており、出迎えてくれる。すでに半世紀以上も前のモニュメントではあるが、近くに寄れば、その大きさに圧倒される。これもまたヘリテージ(遺産)なものとして保存されている。塔内には1970年に岡本太郎が描いた。生物の進化を表現したオブジェが、今もなお、残されており、強烈な色彩や形態で表現されており、素敵だ。話を民族学博物館の紹介に戻すが、世界を大陸別にゾーンで分けた展示方法で、それほど昔ではないが、レトロ感のある近世の生活様式や伝統工芸や衣装、宗教関連品や住居等の展示がされており、その数は膨大だ。継承される個性的な色彩や紋様など、その土地特有なデザイン観にふれていると、まるで、その土地を訪ねているようで、満足感が得られる。皆さんにおすすめしたい博物館だ。昨今は古民家カフェやレトロファッションのリバイバルなど我々には歴史や伝統を尊重し、先人たちの技術をリスペクトし、継承して保存をしようとする気持ちがある。それはとても尊いものだ。大切にしたい。 写真は老朽化は否めない、ヘリテージな遺産。国の重要文化財太陽の塔。

