家屋画の面白いところ

私のアートセラピー(芸術療法)における家屋画法では、特に家庭や家族に関わる、クライエント(来談者)の性格判断を行っています。その中から、面白いパートをいくつか紹介します。今まで多くのクライエントに対して、自分がイメージする家屋の絵を描いてもらいましたが、面白いことに多くの方が同じような絵を描かれました。それは三角屋根に煙突が付いたシンプルな形の家です。これは前に描画とイメージの内容でブログにて紹介しましたように、我々が固定したイメージとして共有している形態で描かれているからです。更に面白いところは、実際、日本の家屋では屋根にレンガの煙突があるような家は、ほとんど見かけませんが、何故か、そのような絵が描かれている点にあります。おそらく、幼少期に読んだ童話や漫画等の記録が影響しているかと思います。さて、この三角屋根や煙突の絵が私のアートセラピーでは、どのように解釈がされているかを説明します。屋根は自身の頭の中、つまり思考部をあらわしています。大きな屋根は想像力の大きさや自分の個性や趣味を大切にする思考や性格をあらわしています。特に三角屋根はメルヘンチックな子供の心を有する性格です。では、煙突はどうでしょうか?。煙突の描画は自身の愛情感や感情の表出をあらわします。大きな暖炉の煙突から煙がたなびく様子は、暖かい家族愛に対する願望が感じられます。他にも窓や玄関などは、その形状から、他人との関りやプライバシーを重視する性格が、また、外壁や門扉からは自身の防衛心や他の侵入に対する警戒心等があらわれます。例えば、外壁の高さや強固な構えであれば、防衛本能が高いことが判断できます。このように家屋画からは様々な性格判断が可能です。自身の何らかの記憶からイメージされた絵ではありますが、無意識、つまり潜在意識が働いて描かれた部分が多いと言う事です。それは絵に限らず、自身の意向が反映されたデザインで建てられた住宅等においても、同様な判断が出来ます。つまり、建築物や家屋の外観からは家主の性格や何らかの主張が感じられると言う事です。形状や色などから、それを察してみることも面白いと思います。写真は最近行って来ました姫路城です。何度訪れても、その荘厳さと建築様式の美しさに圧倒されます。まさに城主の防衛心、虚栄心、威圧感等が感じられます。