日々是好日

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。毎年元旦になると、頭に浮かぶ言葉があります。それは「日々是好日」と言う言葉です。有名ですから座右の銘にされている方もいるかと思います。この言葉は唐末期の禅僧である雲門文偃(ぶんえん)禅師の言葉です。直訳をすれば「毎日が良い日」の意味ですが、禅の教えとして多くの解釈がなされています。年の初めに、今年も良き一年となりますよう。願いも込めて、私なりの解釈にて皆様への年頭のメッセージとさせて頂きます。この言葉は「ひびこれこうじつ」と読みます。毎日生きていれば良い日ばかりではありません。辛い事に悩む日々や耐える日々もあります。むしろ人生は、そちらの方が多いのかもしれません。だからこそ、人は安らぎや楽しさを求め、それを良い日であると感じています。人それぞれに欲求や満足度は違います。幸福の基準も違います。この言葉は漢の末期に発せられた言葉ですから、安全な時代ではなかったはず、絶望の中で生の喜びを第一に捉えて説いた言葉であったかも知れません。現代においても健常な心と体を有しているだけでも幸せであることは変りもなく、大前提にある喜びです。病気、人間関係、金銭、家庭、等々、悩みは多々あれど、マイナスに捉えて下を向いて過ごすのではなく、何ともならない問題も含め、それはそれと捉え、毎日の中で起きる、見落としがちな小さな出来事や美しい自然、小さな人からの優しさにも目を向けること、また自らが優しさを施す日々も素敵な生き方です。たとえ辛い日々が続いても、周りには、きっと心安らぐものがあります。見知らぬ人から受けた優しさを感じれば、孤独ではありません。他人からの評価のために頑張るのではなく、自身が頑張ったと思える一日であれば、「今日の日は良かった。」「これで好し。」と自分自身にエールをおくる生き方。それを説いた言葉であると解釈しました。今日も良い日=日々是好日と捉える心。そのように毎日を過ごしましょう。皆様の毎日が良い日でありますよう。年頭に、この言葉を送ります。