コンプレックスハーモニー

色彩やカラーコーディネートの配色用語である、コンプレックスハーモニーと言う言葉を用いて、単に色彩に限らず、世の中で見られる人間関係の不思議な調和や組み合わせを考察してみます。そもそもコンプレックスハーモニーと言う言葉の意味ですが、自然界ではあまり見られない配色で不調和の調和と訳されます。一見、合わなそうな複雑な配色ではあるが、違和感が個性となり、マッチして見える組み合わせを指す用語です。具体的に言えば、青に茶やピンクに紺のような配色です。渋い色と冴え色の配色は一見、組み合わせが難しく違和感もありますが、案外、調和しており、センス良く感じられる感覚です。ファッションやインテリアの世界では多く用いられています。しかし、この感覚は色彩に限らず、世の中では様々なコンプレックスハーモニーと言える調和が存在しています。一例としては映画やアニメのキャステイングなどがあります。人間や動物、モンスター等、異色キャラクターの組み合わせであっても違和感がなく、連帯感や友情、愛情を感じさせます。古くから愛される、桃太郎やオズの魔法使い、美女と野獣、ワンピース、ドラゴンボール等もこれに当たります。先入観にとらわれない組み合わせや対比における、個性重視の構成で描かれています。ファンタジーやアニメのような虚構の世界だけではなく、我々の生きる、現実世界においても、個性や性格、性別や年齢、地位や立場など、かけ離れた組み合わせの人間関係は存在します。はたから見ると不思議な関係であっても、非常にマッチングして魅力的です。人の個性を色に例えれば、色とりどりの個性が集うのが社会です。自分とは合わないと思っていた、人、環境、職業等の関係も、他の人から見れば、非常にマッチングしている場合があります。自身の先入観を捨てれば、意外と良い組み合わせの中で生きて行けます。積極的に違った個性の人と関わって行くことは、自分自身を高め、必ずやマッチングする個性との出会いに繋がります。コンプレックスハーモニーの考え方を自分の生き方に取り入れれば、素敵な出会いが得られると思います。(写真は、まるで巨大宇宙船のような183タワー)