あるがままに生きる。

人生においては、時に、なかなか解決されないような悩みが生じ、それが頭から離れず、眠れない日々が続き、体の不調に繋がることもあります。特に人間関係、病気、介護、仕事、学校など、日々の生活や環境の中で生じる諸問題についての悩みは、逃げ場もなく、非常に辛い思いをします。誰もが経験する事ではありますが、それを克服して行かないと、前には進めません。私も若い頃、広告会社の勤務で、多忙な仕事が続き、自律神経失調症となり、メンタルと体調を崩した経験があります。その折、病院で処方された薬にたよりながら、併せて心の弱さを克服しようと、毎日、自己啓発本を読みあさった時期があります。それらの本の中で、当時、京都大徳寺大仙院の尾関宗園住職が著された書籍を何冊か拝読しました。その本の一冊に「あるがままにフランクに生きる。」という一文が説かれておりました。つまり、何事も真摯に受け止め、悩みや辛さを無理に排除しようとせず、あるがままに、時の流れに身をまかせて、今、すべき、眼の前の事に集中し、前向きに活き活きと行こう。と言う教えです。私は、その言葉に感銘して、それからは、あまり深く考え込まず、やるべき事を、一つ一つ成し遂げて行きました。メンタルを保つための自分自身の姿勢となりました。後年、大仙院を訪れた際、奥様にお会いでき、私が、ご主人の著書の愛読者で、著された教えを実践して、生き方が前向きに変わったと、お話をすると、感謝の言葉を賜り、非公開の書院や庭園を、ご案内頂きました。帰り際、「主人に似てますなぁ」とおっしゃられた時は、すごく嬉しくて、益々勇気を頂きました。あるがままに、フランクに生きてきて良かったと実感を得た思い出です。(掲載の写真は心落ち着く高台寺の縁側です。)